コンビニに行ったら店員とお婆さんが揉めていた。お婆さんはバケツのようなものを持っている。聞き耳を立ててみると、どうやらこういう話らしい。お婆さんは沸騰したおでんの汁の中でも飼える金魚を売っている。本当だからこの店でも扱って欲しい、と。お婆さんは「実際に入れてみたら分かる。嘘じゃないから」と金魚をおでんの中に入れようとするが、店員はすかさずフタをしてブロックする。「どうして信じないのか」お婆さんはますますヒートアップ「店長を呼んでくれ。バイトじゃ話が通じない」「私がその店長です」「なんだ、この店は商品の良し悪しも分からないやつが経営しているのか」店長はレジ前に回ってお婆さんを店の外に押し出した。お婆さんは何か捨て台詞を言ってどこかにいってしまった。店長はレジに戻り、店内は普通のコンビニに戻った。見守っていた客もちりじりになる。「アツアツのおでん如何ですか〜」店長は何事も無かったかのように声を張り上げる。レジ横のおでんを覗き込むと、そこには金魚の屍体が複数浮かび上がっていた。「あ、これね?ホント嘘ばっかり言う業者ばかりなんですよ。まったく」