ちょうど家の前に子猫が一匹捨てられていて放っておいたら死にそうな感じだったので拾ってきた。
そもそも私は猫が好きではない。犬のように従順でもないし芸も覚えない。猫の良さがわからなかった。
回復したら保健所に連れて行こうと思ったのだが、猫好きの妻が猛烈に反対しついには我が家の飼い猫になったのである。
ミーコは妻にばかり懐いた。唯一私に興味を示すのはカメラを向けたときだけだった。
カメラを向けたとき、こいつはわざとらしく愛想を振りまくのである。
飼い主の私を無視するなんて生意気じゃないか、と思いカメラを向け続けた。最初はスマートフォンで撮影していたが、成果物の写真を眺めているうち、全くこの猫を正確に撮影できていないことが判明した。
ミーコは毛並みが異様にツヤツヤとしている上、触りたくなるような毛の一本一本が解像度の問題で写せていないのだ。
私は一眼レフカメラを買った。そしてレンズも買った。証明も買った。
豊富な機材を用いてついには完璧にミーコを写せるようになり最近は満足している。
が、金が異様にかかるのでやはり猫はクソである。