コーヒーに全く興味のない人生を送っていた私が、チェーン店のカフェに行くようになってから2年。
コーヒーが美味しい飲み物なんだと知り、待ち合わせの時間つぶしや旅行先の休憩などでもカフェを利用するようになった。
そんな中、私は今夏3泊4日の温泉旅行に行った。群馬県の有名温泉街を巡る旅だ。草津、伊香保で温泉を堪能した私は、最後の目的地である四万温泉の最寄駅、中之条駅へ向かった。
駅から温泉への路面バス出発まで時間があったので、駅前のカフェで時間を潰すことにした。この店は、私にとって初めての非チェーン店のカフェだった。昼間なのに誰もいない。そりゃそうだ、駅の待合室を出れば、外には人気が全くないのだから。
私のもとに、お姉さんがコーヒーと何かを持ってきた。ミルクと、茶色い石みたいなもの。スマホで調べると、琥珀糖という奴だった。美味しそうだったので一粒口に放り込むと、なかなかイケる。コーヒーを飲む間、私は琥珀糖をひたすら食べた。ボリボリと音を立てながら。
私は今、京都旅行に来ている。昨日、レンタサイクルで各所を巡る途中、非チェーン店のカフェに2度立ち寄ってコーヒーを飲んだ。
どちらの店も、コーヒーと一緒にミルクと砂糖を持って来てくれた。白砂糖を。
昨日、コーヒーを飲んでいる最中には気がつかなかった。しかし、ホテルのトイレでこれを書いている今、思うことがある。中之条駅のカフェで出された琥珀糖、私はボリボリと噛み味わったが、もしかしたらコーヒーに入れるものだったのではないか、と。静かな店内に響き渡ったボリボリに、お姉さんは恐怖したのではないか、と。あいつ、砂糖食ってる!と。
お姉さん、琥珀糖美味しかったよ。四万温泉にはまた行くから、またコーヒーを飲みに行くから、また琥珀糖を出してほしい。今度はコーヒーに入れてみるから。食べもするけど。