藪医者(やぶいしゃ)とは、適切な診療能力や治療能力を持たない医師や歯科医師を指す俗称・蔑称である。
同義語に庸医(ようい)がある。
古くは1422年に「藪医師」、1283年に「藪薬師」の記録がある
語源については、諺「藪をつついて蛇を出す」(余計なことをしてかえって事態を悪化させてしまう)からとする説、
「薮柑子」「薮茗荷」「薮連歌」など、似て非なる物に「薮」の字を冠するところからとする説や、
腕が悪くて普段は患者の来ない医者でも、風邪が流行って医者の数が足りなくなると患者が押し寄せ忙しくなることから、
「カゼ(風)で動く=藪」という説もある。
「藪のように見通しがきかない」医者という説も存在し、この説に基づき、藪以下の全く見通しのきかない未熟な医者を「土手医者」と呼ぶこともある。
また藪医者以下のひどい医者のことは、「やぶ医者にも至らない」「藪にも至らない」という意味を込めて「筍(たけのこ)医者」と呼ぶこともある[3]。
藪医者を人名になぞらえて、“藪井竹庵”(やぶい ちくあん)とも言い[2]、落語などで藪医者を登場させる時、この名を用いることがある。