そんななか、柊龍士郎、愛子ら数名の軍人が官邸にあらわれた。護衛の警官隊はくそ餓鬼のご乱心ぶりに呆れ全員撤収。官邸にはくそ餓鬼ひとりしかいなかった。
銃を向けられたくそ餓鬼はビビって小便をもらした。なんとかこの場を逃れる方法はないかと考えた。史実で犬養首相はどういったか思い出すと、あとさき考えずに喋った。
「話せば分かる。」
くそ餓鬼はそう言ったあと、よく考えてみたらそう言ったあと犬養首相は殺されたと思い出しウンコを漏らした。
柊は言った。
「話を聞こう」
どうやら史実とは違う展開になるらしい。くそ餓鬼は安堵した。柊は話せば分かると思い、すべてを喋った。議会の各政党の協力を得て元少年Aを探し出す見込みがついたこと、元少年Aを見つけた暁には、神として元少年Aの姿をした仏像を全国津々浦々に建設すること、そのために増税すること、余った予算で御殿を建てて悠々自適の生活をすること──
くそ餓鬼は喋り終わると、柊が殺害に来たことも忘れていた。実に素晴らしい話をすることができた。これで柊も納得して王国に協力するだろう。
「言いたいことはそれだけか?」
柊はそう言うと、銃の引き金をひいた。