以前から体調が悪そうにしていたので、少し気にはなっていたけれど、どこか心の中で「大丈夫だろう」という考えがあり、僕から病院に連れて行くことはなかった。
そして先月末、僕が寝ていると、父と一緒に「病院に行ってくる」と言い、びっくりしたので「体調悪いの?」と言うと、「うん」と小さな声で返事があった。
僕は「行ってらっしゃい」と言い、また眠りについた。
すると昼過ぎ頃に父からLINEが入り、母が入院することになったと。
夕方から仕事があったけど、父からは普通に出勤するように言われたので、この日は普通に出勤した。
僕は夕方から深夜に働く仕事をしているけれど、不規則な時間ということもあり、最近、母の顔をしっかりと見ていなかったな…と、今更ながらに気づいた。
正直、すごく泣いてしまった。
どうしてもっと早く病院に連れて行ってあげなかったのだろうとか、
どうしてもっと母の手伝いをしてあげなかったのだろうとか、
どうしてもっと顔をしっかり見て話をして話を聞いてあげられなかったのだろうとか…。
入院一週間前は歩いていたし、入院当日もかろうじて歩いていたのに、今はもう歩けなくなっている。
いつもいつも僕は自分の楽ばかりを追求して、他のことに他のものに他の人にそして家族に目を向けてこなかった。
もう取り返しがつかないところまでいって、やっと自分の無能さ、無責任さに気がつく。いつもいつも僕はこうだ。
一体ぼくはこれからどうすればいい?何をすれば良いのだろうか…
今できることって一体何なんだろうか…
事実を直視する勇気と知性を持つ 人は死ぬ 必ず死ぬ 絶対死ぬ 死は避けられない