畑を抜けて、棚田を横目に車は山へ登っていく
ギアはセカンドからローに、狭い道をくねくねと登ると白い建物が見えてきた
都市から離れ、人気の無い山の上に城のようにそびえ立つ
見慣れた精神科病院だ
駐車場はいっぱい、入院患者のものかお見舞いのひとか、外来はそんなに多くないはず
パジャマを着た患者と看護師が散歩していた
一抹の哀れみと自分もいずれこうなるのかという恐怖が湧き上がった
仕事の辛さと不眠を訴える僕の声を遮って、先生は言った
それでは、前回と同じ薬を出しておきます
先生は、不機嫌そうだった
薬は酒よりは、心地よく眠らせてくれる
現実逃避よりは社会適応を助けてくれる
だけれど、薬が切れたら何も変わらない
先生によれば、薬を出す以外には保健不適用のカウンセリングを受けるしか無いそうだ
僕が何を話しても先生は不機嫌な顔して「薬を出しておきますね」としか言わない理由がわかった
Permalink | 記事への反応(3) | 22:30
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薬を飲むことで社会生活を送れているのであれば、別に良いのでは、と個人的には思う。 通院の時間と費用の分、他の人よりもハンデを背負っているともいえるが、その程度のハンデし...
先生はカウンセラーじゃないからな。 安定する薬の種類や量がわかるまでが長いはずなんだけど もう見つかっていて安定しているならそれでいいと思う。 自分は今は安定しているけど...
最初にうちは投薬治療中心ですとか説明なかったの?