いままで、わりと正直な見積を出すように心がけていた。
余計な利益は載せないから値引きはできない。どうしても値引きするなら内容を削るか納期を延ばすかしていた。
正直に見積もりを出すことが、相手に対して誠実なビジネスだと思っていたからだ。
しかし、自分が購入する側、正確には購入を決める立場になることが増えると、考え方が変わった。
そういう立場になると、「交渉して有利な条件を勝ち取った」という経緯が重要だったりする。
自分は「妥当な価格を提示してくれている」と分かっていても、上司はそんなこと分からない。
100万円相当のモノを「100万円です」と言われて100万円払うよりも、
「120万円です」と言われたのに、交渉して110万円払う方が、評価されることもある。
結果、会社は10万円多く支払うことになるが、それで良いサービスを受けられればいいだろう。
自分も実績が残る。
みんな幸せだ。
正直にやってた頃は、ただの自己満足だった。