大学の帰り道、各駅停車の駅のホームを歩いていると、反対のホームに口論する男女がいた。
別れ話のもつれか何かだろうか、男は顔面蒼白で、突然、覚悟を決めたようにホームから飛び降りた。
これはまずい。
私は考える隙も無くホームから飛び降り、華奢な体格の彼を担いでホーム上へ避難させた。
ホームはそれなりに込み合っていたが、緊急停止ボタンを押す人も無ければ、手を貸す人もいなかった。
ホームに押し上げ、彼の手を握ると、その手はひどく冷たくガタガタと震えていた。
呑気な駅員が、「何かありましたかぁ」とやって来たので、簡単に事情を説明して駅員と女に彼を引き渡した。
名前も名乗っていないし、カメラで撮られていたわけでもないので、昨今のネットメディアや警視庁の警察官、カメラマンの様に誰に称賛されるでも無く、誰も覚えていないだろう。
別に誉められたくてやったわけではないが。
まあその場合なら助けてもいいかあ 生活苦とかで計画的に死のうとしている人間の邪魔はするんじゃないぞ
僕はしにましぇん!をやってるのかとおもた…