今の時代はコスパ主義なんだろう。
映画は「短い時間に何回泣けるか」を競い合うようになった。
食事は「値段に対して釣り合っているか」こそが重視されている。
誰かがレストラオンの味を語る時にそこにあるのは、「値段に対してコスパがいいか」である。
コスパだコスパの時代だ。
それは長きデフレの中で熟成され、いまやこの世界の奥深くにまで根ざしてしまった。
最高の物なんて金を出せば手に入る。
最高でないが良い物なんて誰かが時間をかけまくれば産み落とせる。
だから大事なのはコスパなのだ。
時間を、金を、労力を、人生を、対価として受け取ったモノの価値がそれに釣り合うかどうかこそが重要なのだ。
遠い昔からあらゆるものには見えない値札が付いていたが、その書き込みがここまで精緻になる時代が来てしまうとは。
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