日本は観光立国である。和食も推進している。しかし、和菓子の人気は高くない。
これは外国人の基準から言うと甘さが足りないからである。和菓子は日本の伝統である。しかし伝統に捕らわれていては進歩はない。ここは新しい甘味料を開発して甘い和菓子を作るべきである。料理の世界は常に技術開発が求められるのである。
新しい甘味料を開発するからには、砂糖程度の甘さでは足りない。つまり砂糖が束になっても到達できない甘さでなければならない。砂糖を1gずつ足していくと甘さがどんどん増すが、そうやって砂糖を足していっても到達出来ない甘さがある。これを非アルキメデス的激甘甘味料ということにしよう。アルキメデス的ではないからである。
これを文学的に表現するならば、砂糖の甘さは微笑みが溢れるような甘さであり、それが強くなると全身がとろけるような甘さになる。そんな甘さを越えた非アルキメデス的甘さとは、例えるならば、時速100キロメートルで走る10トントラックに激突したような甘さ。戦車に全身を踏みつけられるような甘さ。あるいは溶岩の中で焼き尽くされるような甘さである。
もちろん和菓子であるためには、その要件を満たしていなければならない。それは形である。和菓子の造形力に非アルキメデス的激甘甘味料を加えるのだ。
その思いを胸に立ち上がったひとりの幼女がいた。
和菓子ってすげー甘いイメージあるんだけど 羊羹とか甘すぎて歯が痛くなるやつ多くない?