SNSで昔付き合った人が結婚したことを知った。相手は自分とは面識のない人。投稿に添えられた写真、役所前で婚姻届を持つ二人の姿は幸せそのものだ。
別に未練があるわけではないが、少し胸がざわついた。
お祝いのメールでも送ろうかと思ったが、別れてから一切連絡をとっていなかった相手から数年越しに連絡が来ても気持ち悪いだけだろう。メールの編集画面で、未送信のままそっと削除した。
結婚する人、しない人。昔からの友人やかつての恋人たちが結婚したと聞くと、なんとなく「あっち側」に行ってしまったように思う。自分はいつまでこちら側にいるのだろうとも思う。
しかし、人の人生は線のようなものだ。真っ直ぐに伸びたり、曲がったり。他人の線と交差したり、離れたり。長い線もあれば、短い線もあるだろう。あの人とは関係が交差しながらも、決して平行にはならなかった。
それは何のせいでもなく、ただ、そういうものなのだと思う。だから、とりあえずは目の前にあるものを信じて進んでいきたい。だから私は、今日もせっせと増田に文をしたためるのだ。