「まんまんまんまん曼珠沙華!」
と繰り返し発声してるおじさん(推定50代)がいて、周りの子供たちの目が釘付けになってた。
例の「性の悦びを〜」の人もこんな雰囲気だったのかなと感じたが、そのうちある男の子が「マンマンマンマン……」と真似し始めて、「やめなさい!」とお母さんに怒られてるの見て、まあそういうおじさんとは関わらないように生きていくのがコストのかからない賢い生き方だよな、とぼんやり思った。
でもそういうおじさんが家族だったら自分はどうするだろうか。想像するだけで暗い気持ちになってしまうのが申し訳なかった。
さらにもしも自分自身が曼珠沙華おじさんだったら?そんときはたぶん意外と、自分自身には不幸感ないのかもしれない。
おじさん、他人に迷惑だけはかけないでくれてね、そう思いながらレジで財布を出して、挽き肉を買い忘れたことに気がついた。
精肉売り場に戻るとさっきのおじさんが肉のパックのビニール部を指で押して凹ましながら「まんまんまんまん曼珠沙華!」と唱えていた。
ギルティ。
挽き肉はハナマサで買いました。小さいパックで良かったのにデカいの買っちゃったもんだから冷凍庫が挽き肉だらけです。どうしてくれるんだ。