2015-08-04

昔の話。

学生時代あるカップルと知り合った。

女は心を病んでいて、男はそれを支えていた。

彼女は心を病んでいるため自分というものは無かった。

彼は彼女を救いたいと思っており、

それから愛が始まったんだと何度も自分に言っていた。

けれど彼女入院等が重なりヒロイックな愛では満足できなかった男は

ついに自分にも手を出しずるずると肉体関係まで行き着いた。

彼女じゃ満足できない、お前と先に逢いたかった

自分に何度も言っていた。

冷めた目で見つつ数年間そんな関係を続けた。

就職後、彼と距離を置いた。

逢いたい逢いたいとメールが来ていたが

それを無視し続けたら連絡が来なくなり現在に至る。

最近カサンドラ症候群という単語を知った。

発達障害の一つアスペルガー障害のパートナーを持った人が

パートナーの行動に理解できず心を病んでしまうことらしい。

カサンドラというから女性がなりやすいだろう、と思ったが

男性でも稀に居るらしい。

ある日、彼のことかな、と思った。

彼女を見ながら心病むということは自分を無くすことかと思っていた。

もともと彼女発達障害を抱えていて

それが周囲から受け入れられずに心を病んでしまった。

と推測すれば、自分が無いように思えたのは心を病んだことでは無く

発達障害の影響だろう。

そう考えたら、彼はカサンドラ症候群だったのかもしれない。

そんな単語が無かった昔だから、そして、彼は男だったからこそ

彼は自分に手を出したのかもしれない。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん