2015-06-10

奇妙な感覚

帰りの電車に乗り、着席してうたたねしていた。

はたと気がついたとき、私を取り囲んでいた人々が微妙に生温かく感じた。

彼らの身形や態度は普段は刺々しく、自分からはあまり近づかないようにしているのだが、今日はそんな人ばかりが周りに集っていた。しか雰囲気が温く、なんだか馴れ馴れしいのだ。

世界に飛んだら多分、こんな気分になるのだろうなと思う。

世界は何にも変わらないように見せて、それでいながら脳内ラジオチューナーがこっそり別の周波数を選んでいる。

前もこんな体験があった。10年くらい前の、夏のこと。

あのときは気づかなかったけれど、多分私はあの日異世界に飛んだのだ。

なぜならその日から、ただの淡泊なイメージしかなかった世界は、敵意と悪意に満ちた汚いものへと変貌していったからだ。

私の戸惑いと嫌悪を察したか、多くの人が、変わってしまった。

去っていくものもいたし、ギラギラした眼で追いかける人も現れた。

私の存在を消そうと懸命になる者もいるかと思ったら、いつまでも忘れないように監視するものも、いた。

今日自分の周囲の人々がまた一斉に変わったと思ったら、先程家から出たらいつも通りの空気だった。

絶望の中、なぜかとてもほっとした。

私が闘う世界は、どうやら、相変わらずこの世界のようである

(※流石に文が読みづらすぎ、よろしくなかったので校正しました。)

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