人と付き合っていて、何か問題が生じると、「おれはあいつのためを思ってかくかくしかじかの対応をしてやったのに、その恩を仇で返してくるなんて、わけがわかない。本当にバカなやつだ」といった反応をして、自己正当化に一生懸命なタイプの人がいる。これをパターナリズム的な人間関係と呼ぶことにしよう。
パターナリズム的な人間関係しか持てない人は、相手と対等な関係をつくることができなくて、かならず相手の上から接する目線で、マウンティングするかたちで対処しようとする。
その背後には、あらゆるひとにたいするものすごい劣等感があると思う。
生のままの、対等な他者と向き合って接するための安心感が根本的に欠如しているので、立場の上下の差というフィルターを人工的に開発して、自分に装着している。
周囲の人はそういった彼または彼女の内心の地獄をうすうす感じているのだが、口を出すとまたマウンティングされて面倒なので、そっと遠ざかる。