唯一の正解がないような問題について、それは承知の上で、自分の経験や理解に基づき一つの意見を持っていることは誰にもあると思う。
その意見が仲の良い友人のものと相反するような場合も、当然ある。
例えば、自分は「アルバイトやサラリーマンは給金の分だけ働けばいい。必要以上の真剣さは鬱の元」と考えているのに対して、
友人は「社会人たるもの、立場に関わらず仕事には強い責任感を持って当たるべき。半端者は足を引っ張る」と考えているような場合だ。
友人の意見が必ずしも間違いだとは思わない。そういう考えによってのみ得られるものはある筈だ。が、自分がその意見に与することは決してないだろう。
別に友人だからといって意見が食い違っては駄目とも思わないのだが、相手が自説について熱弁をふるっている時などは、結構困る。
自由なディベートの場なら、真っ向から自分の意見を述べて論を戦わせるのが誠実なあり方だろう。
だが友人関係でそういう話になる時は大抵、本人が実際に腹を立てている対象の相手がいて、熱弁は愚痴を兼ねている。
そういう発言に対して、正面から反対意見を述べようとは思わない。疲弊している友人を受け入れて、できるだけ力にはなりたい。
かといって、自分の内心に完全に反するような相槌を打つ気にもなれない。いかにも口先だけな感じが嫌だ。
結果としてひどく曖昧な、ちゃんと話を聞いているんだかよく分からないようなムニャムニャした返事になってしまう。
こんな場面では、皆さんはどうしているのであろうか。