2014-07-25

とある経済学科教授が、彼の最後の授業で語ったこと

 

 とある経済学科で数十年教壇に立ち続けた教授が、定年を迎えることになった。

 彼は最後の授業でこう語った。

 

私たちは、後戻りすることのできない不可逆な時間の流れの中で生きている。そんな中で私たちは、不確実な未来へ向けて決断を下さねばならない。

 

 その決断の時とは、他ならない“いま”である。何を選び、何を捨て、何のために生きていくのか。私たちは常に決断を迫られている。

 

 そして決断を迫られたとき私たちは手持ちの情報だけでは不十分過ぎることに気づかされる。それでは、私たちはどうすればよいのだろうか。

 

 ここに1つの方法がある。それは、歴史を学ぶことだ。そこから得られる教訓、法則を“いま”に応用し、よりよい選択を実現することができる。

 

 無味乾燥で、つまらないと思われがちな歴史だが、それは世界が創りあげてきた壮大なドラマに他ならない。

 

 そんな歴史を学ぶこと、なかでも経済史、経済学史を学ぶことの意味と意義、面白さを伝えたくて、私は今日まで奮闘してきた。

 

 もう私は引退だが、この話を聞いてまた少しでも歴史に興味を抱く人が諸君の中に生まれれば、これほど嬉しいことはない。

 それでは、これにて講義を終了する。ありがとう

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