数年前の話。
コミケやイベントに頻繁にサークル参加してる、そこそこの規模の二次創作サークルの主宰が知り合いにいた。Aとする。
Aの口癖は「今は二次創作を描いてるけど、いつか商業雑誌で連載を持ちたい」
しかし、オリジナル漫画を描いて、出版社に持ち込んだり、新人賞などに応募したり、コミティア(一次創作のイベント)の
出張マンガ編集部に漫画を見せに行ったりしていない。何故、そういう努力をしないのか訊いてみると「そんな暇があったら、
新刊を作ったほうがマシだ。今は二次創作でかなり儲けられてる。確かに商業で連載を持ちたいけど、俺の新刊を見た
編集部から声がかかるかもしれない。その前に、まず俺の生活がかかっているから、新刊だ!」
同じ頃、コツコツとオリジナル漫画を出版社に持ち込んだり、新人賞に応募したりしていた、Bという奴がいた。
BもAと同じく、商業雑誌で連載を持ちたいという夢があった。ただ、彼は二次創作はやってなかったけどね。
AとBと俺は共通の知り合い。正直、Aの方が画力が高いし、知名度は圧倒的にAの方が上だったから、Aの方が早い段階で
商業進出だろうな、Bはこのままかな、と思ってた。
数年後。BはWeb漫画で連載を持った。
AとBを見て思ったのが、二次創作にハマると、それが生活基盤となり、Aみたくまずは新刊、チャンスがあったら商業進出
みたいな考えになる。漫画家志望が沢山いるこのご時世、自分からオリジナル漫画を描いて持ち込んだりしないと、ずっと受け身のまま。
二次創作をやめると金欠になって、結果バイトなどで描く時間が減ったり、離れる時間ができてしまうのは それはそれでマズいと思います。そういう意味では何でも描き続けた方が良い...