女に縁のない人生だった。
縁のないというより、縁はあったが悪い縁しかなかった。
災いの元でしかなかった。
くだらない女の駆け引きに使われたり、勝手に週間ランキングにのせられたり。
童貞をこじらせて、言い寄ってくる女もろくろく口説けず嫌われたり。
逆に何十万と貢いで、結局なにもできなかったり。
思い出すだけで泣けてくる。
自分の中ではとっくに笑い話になっているかと思ったが、やっぱり古傷のように胸が痛む。
ところがどうしたことか、ひょんなことからそれなりにかわいい子とできてしまった。
8歳年下。
処女だった。
こんなに簡単なことだったのかと怖くなる。
俺だけが知っているのだ。
他の誰でもなく俺なのだ。
大切に思われているのだ。
証明されているのだ。
なんてこった。
君に俺の人生、全部あげちゃってもいいや!
ていうのも、一時の気の迷いなのかな。
まるで乙女だ。
今までが今までだけに、このまま幸せが続く気がしない。
俺ってだいたい、一人として人間を信じていないんだよね。
本当に本当に、大丈夫なのかな。
好きっていうより、安心しているだけなのかもしれない。
自分も人に好かれることがあるんだと。
じゃあ相手に気になる点があったら、だんだん嫌いになっていくよね。
怖い。
悲しい。
つまんねぇ奴だな!
人生って複雑なんだなぁ。
難しすぎて、何もうまくいかない気がしてくるよ。
だいたい、やらなきゃいけないことが多すぎるんだ。
あーもう。