取材能力が著しく低下し、民主主義国家に取って不可欠なジャーナリズムが機能不全に陥っている日本のマスコミは、今やすっかり官僚からのオフレコによるリーク情報に頼りまくって報道を行っている。
新聞記事等でよく見る「政府高官によると」「警察幹部によると」といった表現がそれだ。
官僚はマスコミを使って世論操作ができるし、マスコミも取材の労を取ること無く情報を頂けるという、お互いにとって実に美味しい関係である。ところがこれは一種の麻薬のようなもので、冒頭に述べたように、今や日本のジャーナリズムは、自分の足で情報を稼ぐという基本をすっかり忘れてしまい、政府広報の片棒を担いでいるのが現実だ。
さて、「特定秘密保護法」が成立した今、最も頭をかかえているのは、他でもない、世論操作の手段を失った官僚と、ぬるま湯に慣れてしまったマスコミ関係者だろう。