寒い日は脳内にイワンさんを召喚する.(今日はそんなに寒くないけど)
白いひげをたっぷり蓄えて,メガネを外したサンタクロースみたいだけれど,
彼は故郷はさびれた寒村で,数え上げられる程度の民家と,短い夏には釣りが楽しめる湖がある.
暮らしは貧しく,厳しい冬を過ごす薪の確保にいつも悩まされていた.
母親も,イワンがひとりで生きていけるのを待っていたかのように若くして亡くなる.
それまでも苦労が多かったが,それからもイワンはたくさんの苦労をした.
いろいろなことがあった.沢山の人と出会い,別れ,愛され,裏切られた.
イワンさんにとって,日本の東北地方の冬なんか,ぜんぜん寒くなんて無い.
でも,粉雪を見ると,肌を刺すような風を浴びると,故郷を少し思い出すらしい.
イワンさんの厳しい顔が,こんなに寒いのに,少しだけ和らいだような気がした.
涙ぐんだじゃねーか馬鹿野郎 イワンさんは居ないのかよ 悲しい