2013-01-22

こんな雪の日は脳内イワンさんを召喚する.

寒い日は脳内イワンさんを召喚する.(今日はそんなに寒くないけど)

イワンさんはシベリアのひとだ.

白いひげをたっぷり蓄えて,メガネを外したサンタクロースみたいだけれど,

その眼光はとても鋭く,表情はいつも凍り付いている.

彼は故郷さびれた寒村で,数え上げられる程度の民家と,短い夏には釣りが楽しめる湖がある.

父親は物心ついたときはいなかった.

暮らしは貧しく,厳しい冬を過ごす薪の確保にいつも悩まされていた.

母親も,イワンがひとりで生きていけるのを待っていたかのように若くして亡くなる.

それまでも苦労が多かったが,それからイワンはたくさんの苦労をした.

いろいろなことがあった.沢山の人と出会い,別れ,愛され,裏切られた.

 

イワンさんにとって,日本東北地方の冬なんか,ぜんぜん寒くなんて無い.

でも,粉雪を見ると,肌を刺すような風を浴びると,故郷を少し思い出すらしい.

そこに幸せな思い出はほとんど無い.

それでもノスタルジーというものは悪くない,らしい.

イワンさんの厳しい顔が,こんなに寒いのに,少しだけ和らいだような気がした.

 

という妄想を,寒い日は,する.それで結構のりきれる.

  • 涙ぐんだじゃねーか馬鹿野郎 イワンさんは居ないのかよ 悲しい

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