街の通りに並行して通る住宅通りを歩いていると
窓を開けっ広げ かといって扇風機を回すでもなく
どの家もなにやら同じ様に外から見える部屋に女性が横たわっていた
多少の見えにくさの向こうにもどうやら衣類は身につけず
どの家の女性も姿を露わにし、もぞもぞとかすかな声をこちらに届かせる
あ あ
ん
どこか一軒のお宅だけでこういった光景を目にしたのならば
何も疑問には思わないだろう
こう立て続けに現れてはどうにも解せない
一体何が起こっているのだろうと、先々の家々を追確認するも
そしてある一軒の軒先が目に入ると、丁度相手もこちらに気づき
なのにビックリするでもなく唖然とするでもなく嬉しそうにこちらを見ているではないか
ほのかに恥ずかしそうな振る舞いも見て取れたが
門を潜り大きな踏み石を進む数メートルの間、娘の姿が見えなくなったか思うと
あ あ
ん
また漏れる吐息が先ほどより近づいたせいかよりはっきりと耳に届いてくる
軒先まで辿りつくと奥の方から
こっち
と聞こえてきた
恐る恐る
いいのかい
と声をかけるも何も返事はない、いぶかしくなって業を煮やしそうになるとまた
あ あ
ん こっち
覚悟を決めて中へ行くと
ん ん
あ
湿った綿の布団の上で白い肌が白い掛布の間から境目を見紛うほどの白さでこちらを誘惑する
お兄さん
この肌を好きにしてちょうだい
どういう事、なんだい?
あの家も向こうの家もみな貴方と同じ様に一人でしていたよ
知らない
あ
他の家は他の人が行くんでしょ
ん
いや男は他には見なかったよ
普通なら通りずぎるところを
何軒も何軒も続くからたまたまこうして貴方の家に入ってきたんじゃないか
本当に
わたし本当にそんな事知らないわ
じゃあなんで君はこんな状況で普通におれをここまで受け入れているんだい
ふふ
たしかにそうね
でも貴方も入ってきたじゃないどうして入ってきたの
いやだって君を見たら、君の中に入りたいって思ったんだ
あは
入りたい
うん
でも私小さい人はいやよ
私はフランクフルトじゃなきゃいやよ
・ウインナーソーセージ…太さ20mm未満(羊腸を使用したもの)