ネット右翼といえば中韓を軸とした蔑視発言で、ネット上にその悪名を轟かせた自称愛国者集団である。彼らはただの差別者集団であり、愛国者などではないというのが専らの見方である。果たしてネット右翼は愛国者なのか。
その答えを出すために価値観について考えてみる。価値観とは何をどれくらい素晴らしいと思うかの判断基準である。
何かを素晴らしいと思う度合いと同じだけその何かを持たない者への蔑視は大きくなる。
例えば金持ちと貧乏人についての考え方である。「金持ちは人格的にも優れた人間である」という考えの持ち主と「金持ちはたまたま運がよかっただけの普通の人間である」という考えの持ち主とでは前者のほうが金持ちを素晴らしいと思っている。一方で、貧乏人についてのそれぞれの考え方は「貧乏人は人格まで貧困な人間である」「貧乏人も普通の人間である」となるだろう。金持ちを素晴らしいと思っている分だけ貧乏人を蔑視する度合いも大きくなる。これらは表裏一体であって、金持ちは素晴らしいという考えを残したまま貧乏人蔑視を無くすなんて不可能なのだ。またその逆も言えることで「金持ちは普通の人間である」という考えの持ち主が「貧乏人はダメ人間である」という考えを持つことはない。
これは他のことにも言えて「日本は勤勉で豊かで優しい国民がいて、世界で一番歴史があって、世界で最も長寿で、文化的にも世界に進出して、アジアで唯一白人と渡り合った経済大国だから素晴らしい」と思う人は日本を素晴らしいと思う分だけ他の何かを蔑視するのだ。何かとは言わないけど。
よほどのミラクルが起きない限り