はてなキーワード: iPhone 3Gとは
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080805_02/index.html
さてiPhoneという「革命的」「モンスターデバイス」が現れたおかげで、久々にフルーツ信者とそうでない人の間に横たわる深くて暗い断層が顕在化したわけです。
わたくしも、iPhoneのデザインはおもしろいね、とは思う。ボタンのほうがぜったい使いやすいのに、タッチパネルにこだわって指紋を増やさせるあたり、いかにもジョブズ期のアップルらしい思い切りだよね、これまでのユーザ経験の蓄積なんてなにも考えてないよね、という。まあ、そういう創造的破壊も誰かがやらねばならぬのでしょう。一方、肝心の機能は…今となっては普通かな。インフラが同じなんだから当然か。信者もiPhoneには「ダントツにスゴイ!みたいなものはない」と認めている。もたないバッテリーとか、バカ高い修理費とかいうバッシングもあるけれど、これはマックでもiPodでも繰り返されてきた、もはやアップルさまの伝統芸でしょう。今さらそのあたりを叩くのも筋違いかなー、と思う。わたくしもBang&Olfsenのコンポにいまさら「高い!デザインが変!」なんてことは言わないし。
しかし世の中「おもしろガジェット」という評では満足せず、歴史的事件と喧伝する驚き男がいる(この表現はほんと秀逸だわー、さすがid:matakimitka)。ユカタンは「欲しくないと言えない」と困っているが、わたくしとしては卒直に、そんなにすごいか?と言いたい。「開発者」に限定する、という譲歩があっても疑問だ。アップルという一企業の、一プロダクトの、一バージョンでしかないiPhone 3Gが民主的なプラットフォームか?「端末の種類が基本的に1種類」って今だけの話じゃないの?次のバージョンでは画面解像度が変わって、APIが変わって、開発者を混乱に陥れるんじゃないの?これまで、アップルが突然の方針変更でどれだけの開発者を混乱させてきたか、記憶にないのか?(PowerPCのとき、OS Xのとき、Intel Macのとき…もしアップルが首尾一貫した開発ポリシーの企業なら、なぜマックの商用アプリケーションはいつまでも貧弱なままなのだろう)
まあ、過去のことはいい。わたくしは未来についてiPhoneユーザ、特にiPhoneは歴史的事件だと言い張るユーザに以下の質問を問いたい。みんながこの質問に返事をしてくれれば、断層はますますハッキリするんじゃないかなーと思う。
素敵でお洒落なiPhoneであることは分かったよ。すばらしいビジネスモデルによるパラダイムシフトかもしれないよ。それはそれとして、iPhoneってツールでしょ?なにができるようになるわけ?お財布やらワンセグやらを諦めたかわりに、ユーザは実質的にどのような幸せを得られるの?Pongができること?YouTubeが簡単に見られること?
二年縛りが携帯電話契約のスタンダードになってから、大半の人は「現行機種は二年後も使えるだろうか」と悩みながら購入を検討しているわけだ。iPhoneはどうなの?二年間もあのソフトウェアキーボードを使い続けるの?そういえば去年の今頃、2Gを買った人は3Gをどう思ってるんだろう。来年にさらに革命的な新機種が出ることはないのかな?iPodみたいに毎年買い替えなきゃ駄目?わたくし、そんな金ないよ。
わたくしが一番不満なのは、iPhoneユーザの多くが、日本の携帯電話業界、これまでの機種をバカにしていることだ。なんで?本当にイノベーティブだったら、過去のプロダクトをわざわざ叩く必要ないじゃん。そりゃあ日本は世界で見ればガラパゴスかもしれないけど、そういう市場環境があったわけで、仕方ないじゃん。これまでの携帯電話はなにが駄目だったの?ワンセグを採用したのが駄目だった?iモードが駄目だった?マルチタッチスクリーンを採用しないのが駄目だった?