2008-06-12

撮影力

人通りの多いところで、友達がケガをした。

みるみるうちに野次馬が集まってきて、携帯カメラで俺の友達の撮影を始めた。

不謹慎です、やめてください!」

やめてくれないどころか、うるせえなあという表情さえ。

悔しくて叫んだ。

「じゃあ俺も撮ってやるよ!お前達の下卑た顔を!」

「何ッ!?」

「オラ撮ってやる!最高の解像度を誇る最新の携帯カメラだ!」

「俺のこのバズーカみたいなレンズが見えないのか?毛穴までズームしてやるよ」

ズームならこっちだ。顕微鏡ッ!血を見て興奮してる外道の精…」」

「バカめ、こっちは動画だ!ハンディカメラで手ぶれも防…」

「アホが!俺はとっくにノートPCを取り出しているぜ!当然ッ!リアルタイムネットにも流してる」

「俺のことを忘れてもらっては困るな。これを構えただけでバカが吸い寄せられてくる。撮った画像電波で全国のお茶の間へ!」

そこで一人の男が歩み出て、すうっと腕を上げた。

「…君たちは、みんな、観察されてることに気が付いてない」

「まさか…!衛星カメラGoogle Mapsに!?」

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