はてなキーワード: 国権の最高機関とは
2013年5月14日15時35分、参議院予算委員会で福島瑞穂議員が憲法改正案についての議論の途中、野党の野次に安倍総理が突然に手をふりあげて激高し「小野議員がうるさいので出ていってください!」と発言した。発言は議事録に掲載される可能性がある模様。(ソースは参議院国会中継映像)
安倍総理の不規則発言により質疑は一時中断。結局、理事の協議により委員長が以下のとおり発言し、質疑は続行された。
総理と質疑者のマイクの音からは、野次は聞こえなかった。野次の声が大きすぎて質疑者の発言が聞こえないといった事情ではなく、安倍総理は野次の“言葉の内容”に対して冷静さを失ったものと推測される。
なお、日本国は議院内閣制を採用する国で、国会は国権の最高機関であるから、総理大臣は国会の首班選挙指名選挙で選出される。つまり議員は総理の上司、総理は議員の部下に相当するので、総理に議員を議場から追放する権限は無い。
議会規則によれば、秩序維持権を持つ委員長は議員の退場を命じることができるが、議場退場は議案採決に参加させないことになり議院内閣制の自殺行為になるため、行使が制限される重大な問題である。議事運営事例集によれば、議場退場を命じることができるのは、極めて切迫した緊急事態のもとで野党理事を含めた全理事が退場の合理性を認めて同意した場合のみである。総理はこの議会規則を知らなかったか、知っていて冷静さを失った可能性が高い。議会規則を知らないで総理になれた人はかつてひとりもいない。
野党の野次ごときでいちいち激高して議会制度を忘れてしまうような小さい人物が、全軍の最高司令官でもある内閣総理大臣として権力を行使させてよいのかという疑問は、国の安全保障・外交交渉能力の観点から真剣に議論しても良いテーマかもしれない。