2024-04-01

政治的主張のために科学妥当性を放棄するな。

以下は、東北大学高齢経済社会研究センター吉田浩教授が、国内で最も多い「佐藤」姓の増加率と人口動態を分析したとの記事である

https://mainichi.jp/articles/20240331/k00/00m/040/076000c]

しかし、この推計は元となるデータ妥当性に疑問が残り、科学妥当性を軽視した発表であると感じる。

そのため、そこから得られる含意(選択夫婦別姓必要性)についても、疑念を抱かざるを得ない。

佐藤姓の占有率と選択夫婦別姓の是非は無関係事象であり、そもそも価値のない計算であると言わざるを得ない。

政治的主張を行うために、科学的な妥当性を軽視した発表をすることは慎むべきである

分析の詳細に関しては、以下のサイト公表されている。

https://think-name.jp/]

この推計の肝になるところは、PDF中の過去データの取り扱いにおける以下の記載である

⚫ はじめに、日本の全人口の 99.04%以上の名字網羅しているとする「名字由来 net

https://myoji-yurai.net/提供公表データにより、日本佐藤姓の人数の値を得た。

⚫ 次に、各年の日本の総人口総務省「推計人口」)×99.04%で上記佐藤姓の人数を除し、

「あるt年の佐藤姓の比率」:x(t)を求めた。

データソースとなっている名字由来 net には、年度ごとの苗字人口非公表独自集計で計算している。

https://myoji-yurai.net/oneYearAccessRanking.htm?rankingId=13]

これによると、佐藤姓の人口は以下のようになっており、変動がない。

2023年 約1,830,000人

2022年 約1,830,000人

2021年 約1,830,000人

2020年 約1,830,000人

2019年 約1,830,000人

2018年 約1,830,000人

2017年 約1,830,000人

2016年 約1,830,000人

2015年 約1,830,000人

2014年 約1,830,000人

2013年 約1,830,000人

このデータソースは、佐藤人口の経時的推移を補足できていないと考えるのが妥当であろう。

しかし、吉田氏の発表資料では、

佐藤姓の占有率 x(t)は 2013 年の 1.480%から 2023 年の 1.530%と、10 余年で 0.05%ポイント伸びている

と述べている。

定数を、減少する日本人口で割っているので上記のような計算となると思われる。

上記のことから吉田氏の推計は、不十分なデータソースをもとに数値を無理やり当てはめて推計を行っており、科学的な推計・将来予測・試算というには無理がある。

このような発表を、研究者が社会に対して軽々に行うべきではない。

  • 名字由来netとやらのほうが「不十分なデータベース」だろ

    • そんなデータソースを使った発表をするなというのが増田の主張です。

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