中学の時、夜中に家を飛び出してコインランドリーで夜明けを待っていたことがある
コインランドリーの洗濯機に一台だけ、洗濯物が入っていた。中を見るとそこにはグレーの典型的なおばさん下着が入っていてがっかりした
そんな時に、店内のラジオから聞いたことない音楽が聴こえてきた。曲名は分からないが、クラシックだろうというのはすぐにわかった
そうして、帰ろうかなと思って入口を見たら
誰か立っていた。下着の主だろうかと思いきや
「どうしたんだ、お前」って言ったら
「お前だって」と互いにびっくりした
で、しばらく黙ったのち
同級生は「?」みたいな顔して
けらけら笑った
「そんな簡単に許してくれるなら喧嘩なんかしなけりゃよかった」と僕は思った
「まあそれよりも」…パァン
店内に響き渡る頬が叩かれた音
どうやら俺は叩かれたらしかった
「これでいいだろよ」
同級生はやたら満足そうに笑った
そして、俺一人になったコインランドリーにラジオのメールを読み上げる声がひたすら響いた…
頬はしばらく…痛かった