2024-02-14

こいんらんどりぃ

中学の時、夜中に家を飛び出してコインランドリー夜明けを待っていたことがある

当時、家族とか友達とか色々もやもやしていて

でも嫌なことに中指を立てる勇気もなかった

コインランドリー洗濯機に一台だけ、洗濯物が入っていた。中を見るとそこにはグレーの典型的なおばさん下着が入っていてがっかりした

そんな時に、店内のラジオからいたことない音楽が聴こえてきた。曲名は分からないが、クラシックだろうというのはすぐにわかった

そう言えば学校先生が心を落ち着かせるには

クラシックがいいって笑顔で言ってたっけ

うん…確かにちょっとだけ落ち着くかも

そうして、帰ろうかなと思って入口を見たら

誰か立っていた。下着の主だろうかと思いきや

それはなんとクラス同級生じゃないか

「どうしたんだ、お前」って言ったら

「お前だって」と互いにびっくりした

で、しばらく黙ったのち

から「その…今日はごめんな」と

同級生は「?」みたいな顔して

「いいよいいよそんなことはいさら」と

けらけら笑った

「そんな簡単に許してくれるなら喧嘩なんかしなけりゃよかった」と僕は思った

「まあそれよりも」…パァン

店内に響き渡る頬が叩かれた音

どうやら俺は叩かれたらしかった

「これでいいだろよ」

同級生はやたら満足そうに笑った

そして、俺一人になったコインランドリーラジオメールを読み上げる声がひたすら響いた…

頬はしばらく…痛かった

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