2022-11-13

twitter認証バッジと念能力

twitter認証バッジが金さえ出せば誰でも手に入るようになって、この感じはなんか既視感があるなあ、と思って考えたら、『HUNTER×HUNTER』でパリストンが念能力持ちの蟻の繭を5,000個確保しているというジンの話を読んだときだった。

能力について、ヨークシン以降は実質的に標準装備という感じではあったけども、一方で、選ばれた人たちの特権的能力という雰囲気もなんとなく残っていたので、そこに5,000個も念能力持ちが流入したら、全然ゲームが変わるよなあ、と読んだときに思ったんだった。ちなみに、作中のプロハンター(≒念能力持ち)のいまの人数が600人強らしい。それがいきなり5,000人増だ(ハンターの他にも念能力の保持者はいるので、600⇒5,600ということではない)。

能力を持たないのは「極寒の地で全裸で凍えながらなぜつらいのか分かっていないようなもの」というぐらい致命的なものであるのに対して、認証バッジがなくても死にはしないが、バッジがあると有利というか、一目おかれる感じだったし、ある種の発言バッジがなければ意味さえ持てなかった、そういう世界だった気はする(行政系のやつとか)。

え? 認証バッジそんなすごいもんだったかなあ?と思う人はいると思う。もしかしたら、俺がそう感じるのは、10年以上twitterやってるからかも。まあ、最近はぽっと出のソシャゲとかでもバッジついてたりするけども。

すべての特権的ものは、経済的に、もしくは物語力学的に、最後拡散して、みんなのものとして標準化していく運命にあるのかもしれない。いまは、海上の船内という密室クラピカが似たようなことをやってる。

ちなみに、『HUNTER×HUNTER』の作者である冨樫義博自身アカウント認証をつけていないのがちょっと面白い。俺はこの人のこういところがけっこう好き(この時代認証を受けていないことが逆に個性的、という演出があったとしても)。

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