2021-03-01

Twitterをはじめたら、そこには既に私がいた

自傷行為はしていない。

難病を患っていて余命幾許もない、なんてこともない。

踊りも歌も平凡で、ネット社会で注目を浴びるには、なんのインパクトもない自分

ただ、誰かに構って欲しい、誰かと傷を舐め合いたい。だけど、病み垢はしたくない。彼らはTwitter界のお荷物からね。


そんな理由病気垢を始めた。“幸いにも”私には持病があったから。

発作が起きたらツイートをする。

大丈夫ですか?」

辛いですね、我慢せずに病院へ。」

ああなんて気持ちいいんだ。

体調が悪くなればなるほど、心は満たされていった。

そんな日々、毎晩発作を起こしツイートをするフォロワーが目についた。こういう人は好都合だ。なにせ、私がかまってあげれば、私のことも構ってくれるから

でも数ヶ月して気づいた。彼女の発作も、そもそも持病も全部嘘だ。彼女は、いくつもの病院に行き毎度起こりもしない発作で何人もの医師困惑に陥らせていたのだ。

所謂ミュンヒハウゼン症候群

そこで私は我に返った


……わけではなかった。

「なにこいつ超おもしろい」

わざと心配するふりをし、彼女の“病気”を悪化させた。

彼女根本…いや、ミュンヒハウゼン患者根本は寂しさだ。だから自分に注目がないと満足できない。

Twitterフォロワーに体調悪化する人がいれば、彼女はその人を超える重い症状を発症する。

それが面白くて、私は毎晩のように家のソファツイートした。

今日病院です」

「救外に行ったら、緊急入院と言われましたアセアセ」

色んな人からリプはくるし、聞けば30代後半だという彼女からDMまでくる。

大丈夫ですか?お互い辛いですね」

私たちばかりなんでこんなに苦しい思いしてるんでしょうね」

馴れ合う言葉を投げかけあった。

そこでやっと気がついた。

私も彼女と同じじゃん!!!

Twitterで嘘のツイートしてリプされて喜んで。

彼女は、20年後自分だったんだ。


この記事投稿したら、パラレルワールドに行けるよう、アカウントごと消すことにする。


なんて、この記事の内容ごと、嘘かもね。

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