男、28歳、痩せ型、身長は175cm、10人に1人くらいの割合で「イケメンだよね」って言われるスペックだ。
この前会った女の子とは、渋谷で集まった。その当日にマッチングをして、たった数本のメッセージを交わして、「今からご飯でもどうですか?」という誘いに乗ってくれた24歳だった。
軽く飲んで、自分たちが現在生きている環境と近況を報告し合う。そこそこ楽しんでいるようだった。こっちも割と楽しかった。
「二軒目行かない? もしくはうちでも良いよ」という問いに、じゃあ行こうかな。という答え。タクシーに乗り込んで、自宅に招いて、一緒に寝た。
同じようなことを、もう何度もしている。おかげでLINEの通知は”たまにうちに来る女性”でいっぱいだ。あの子となにを話したっけ、この子は地元はどこだっけ、最近髪を切ったのは、あの子だよな、なんて自問自答をしながら、その友達たちのことを思い出している。
なにが言いたいかというと、こんなにもホイホイ知らない人の家に着いてきてしまう若い女性がたくさんいることに、ビックリしたということだ。
自分たちは、簡単な身の上話と、ベッドの上でしか繋がっていない。心でつながっているという感覚はお互い無いだろう。でもお互い身体を求めてしまうし、誰かと一緒にいる、という安心感を求めてしまう。
ある一人の女の子に聞いてみた。「こうやって飲んで、家に誘われたら毎回行くの?」「うん、だいたい行くかな。そういうもんだと思ってるし」
身の上話も多分、大して上手くもない。でも、楽しがってくれる。
そしてもちろん、金銭の授受はしていない。ご飯くらいは奢るけれども、自分が行きたいお店に連れて行くのだからそこに疑問はない。