2017-12-02

夢にいる師匠

おそらく、毎年見ている夢がある。

今年は随分とスプラッター仕立てだ。

さな箱に入ったバケモノを倒さねばならぬ。化け物は小さな箱へ入っているとはいえ、

ワイヤーのようなものを出し、人々を切り裂くのだ。

これは信頼できる元部下であった。

人々を切り裂く事件調査する間に、こういうことができるのは元部下しかないと

そういう結論に達したのだ。

夢の中で矛盾する事柄がなんの違和感もなく続く。そういう結論に達したならば

元部下に告げなければならぬ。

やはり、追いかけっこをする羽目になった。

西洋の壮大な建築様式建物の中を二人で逃げる。辺りは暗く石造りの廊下をひたすら駆ける。

何度も石を切り裂くワイヤーを右や左に折れては避ける。

間一髪で避けるはめになり、その都度、ワイヤーの威力を見せつけられる。

とうとう小部屋で捕まった。

ワイヤーは遠慮なく私の背中を切りさき、肉が離れ血が流れるのを感じるが

ほとんど痛くはない。

フイと上を見上げると小部屋の天井が開いていて、ひょいと持ち上げられた。

そこには相棒・・・すでに思い出せないがいて、元部下は望んで化け物になったのではなく

その元部下が使うハサミに操られているのだという。

思い出すと、たしか正義感の強い真面目な部下であった。

何故かそこにハサミがあり、私が掴むと元部下は元に戻り、私自身が小さな箱に入った。

これでは私自身が追われる方ではないか

さな箱に入っているはずが元の体に戻り、官憲に追われている焦燥感が私を突き動かす。

本日はどうやら祭りのようで、逃げるためにはこの祭り行列を突っ切って通りを渡らなければならないようだ。

行列を横切りることを決意する。

行列百鬼夜行であった。

人ならぬケモノたちが人のように2足歩行で練り歩いている。

横切る最中には平らであった道も垂直になりケモノの波に押されながら人の身で渡るのだ。

ケモノたちはベタベタと私を触りいつでも食べてやるぞという意志が伝わり

なんとも言えない不快感が身を駆け巡る。

そしていつもの飲み屋に駆け込むのだ。飲み屋の間口は半間ぐらいで、立ち呑みできるスペースと

一部屋だけ囲んで呑める三畳ほどの場所がある。

「随分と難儀をしているようじゃないか

店主の顔や形は思い出せぬが、店主が私に声を掛けたような気がする。

店主とは何やら話した気がするが思い出せない。もしかしたら店主などいなかったかも知れない。

将棋が強いそうじゃないか

三畳部屋には太った灰色の猫の師匠が居て声を掛けられた。

将棋の内容は覚えていないが何度か打ったらしい。

「私の弟子にならないか

毎年、師匠弟子になる。

そもそも師匠の初弟子が私だ。

毎年やってきても毎年師匠は忘れている。

師匠が思い出せない最初弟子が私ですよ。毎年忘れてしまうから思い出せないのです。

将棋の腕も良くはないのにアパートを立てて暮らしいるでしょう?毎年、私が渡すお金

アパートを立てたからです。」

師匠はそうであったかと呑気につぶやきながら酒を呑む。

あぁ、また忘れてしまうのであろうなと思うと

目が覚めた。

今日は運良く覚えていたので、記してみよう。

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