父と母は私が四つん這いで歩いていた頃に離婚したらしい。だから顔も覚えていないし、「父親が居たら…」と想像することはあっても父を寂しがるという気持ちはなかった。
中学生の時、受験勉強のストレスで母親と喧嘩した際に初めて母親から父親がどういう人間だったかを聞いた。
父は昼間会社に行かず遊び呆けていたらしく、頻繁に部活動をサボっていた私は何か共通点を感じた。
離婚した時に気が強い母は「養育費は要らないからもう二度と息子に会わないでくれ」と父に言ったそうで、父は律儀にその約束を守っているのだろう。
それからどこかの学生になった私は父と話をしたいと思うことがよくある。
父がどんな人間なのかこの目で確かめたいと思うし、アンタの精子から産まれた私がこんな感じになりましたと報告してみたい気もする。でもどうやって会うか見当もつかない。
千川ちひろ「戸籍謄本から取得できる戸籍の附票を取得すれば、その人が現在住んでいる住民票の住所は取得できますよ」