2015-12-13

大学3年のとき自慰を覚えた。はじめて絶頂を迎えそうになったときは、お漏らしをする感覚に似ていたため、お手洗いに駆け込んだ。その日は「オナニー おしっこ」とググッて、「あれがオーガズムというやつなのか!」と心底感動したものだ。

それから、好きな男の子ができた。でも、その男の子Aは、別の女の子B(彼氏持ち)のことが好きで、私は何も言わず飲み会でその2人を見ていた。飲み会から帰ると、泣きながら陰部に右手を伸ばした。でも、濡れているのに、なかなか絶頂を迎えることができない。目を閉じて、妄想に耽ることにした。AとBが性交をしているところを妄想した。Aの家で、声を押し殺して後背位で犯されるBを想像した。Bが「イッちゃう、イッちゃう」と連呼している様を想像して、私は絶頂を迎えた。

それから何ヶ月か経って、私はAと付き合うことになった。Aと付き合うあいだも、しばしば自慰をした。自慰の見せ合いもした。そのときも、私はAとBが性交しているところを想像した。Aに「何を考えながらしてるの」と訊かれたが、私は笑って誤魔化した。

大学卒業すると、もうAとBで自慰をすることはない。でも、同期同士を妄想の中で性交させ、何回も絶頂を迎えた。

私は同性愛者の自覚はないが、自慰するときにいつも思い浮かべるのは女性が感じている顔だ。なんなら、男性側の主観彼女らを犯すこともある。不思議だが、この文章を書いているあいだに悶々としてきたので、布団に向かうことにする。あ〜、セックスしてえ〜。

  • 一連の描写が簡潔で、心理状態の推移も的確。 文末が単調だが、描写は読者を引き込むに充分。 光る才能の片鱗をうかがわせる。

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