俺はとてもお喋りである。類は友を呼ぶという奴か、友達も似たのが多い。
だから友達と話していると、マシンガントークの応酬みたいになる。これは楽しい。
だがもう少し浅い、たとえば結婚式の二次会だとか職場の(上司込みの)飲み会だとか、そういう場面になると、そうはいかない。
アルカイックスマイルを浮かべつつチョボチョボと仕事の話などをするのが、そういう場での普通のやり取りらしい。
俺はその気になれば、そういう場でもガンガン喋れる。でも相手の人たちは友達の時ほど食いついては来ない。
距離感が違うので当たり前だ。だからそれはいい。そこそこ会話ができれば十分だ。
気になるのは、お喋りでない人にとって、こういう場でのお喋り野郎がどう感じられるのかだ。
ときどき居酒屋などで、一人だけ悦に入ってずーーーっと喋っており、他のメンバーはゲンナリ感を押し隠して相槌を打っている、というのを見る。
本当に彼らがゲンナリしているのか確かめる術は無いが、俺にはそう見える。
ああなっちゃいかんな、と思う。
しかし、飲み会の場がしーんとしているのも、それはそれで落ちつかない。
俺が喋ることでいくらかでも空気が緩和されるのなら、その役目を果たしたいと思う。
できるだけ色んな人に話題を振るよう、心がけもする。
独りで喋ってる野郎は軽蔑するが、静まりかえるよりはマシというなら、軽蔑の視線も受けよう。
他の人たちは良く知らぬ相手との表面的な歓談よりは、むしろ沈黙の方が心地良いのかもしれない。
まして自分で選んだわけでもない話題をいきなり振られたりしたら、不快に思う人もいるのでは?
あるいは、俺が喋らなくても待っていれば、自然に歓談が始まる可能性もあるのでは?
その場合は俺がペラペラ喋ることは、むしろ好ましい状態が生まれるのを妨げるだけかもしれない。
「てめーがいつまでも喋ってるせいで、俺の言いたいことが言えねーだろタコ」と腹を立てている人がいるのでは?
時間内のある程度は喋り、1回くらいずつ周りに話題を振り、あとは黙っていれば、間違いがないだろうか?