親の仕事を継いで自営業やってるんだけど、なんか小さな世界で自分より遥かに年上の温厚なおっさん社員にえらそうに指示出したり(当たり前だけどきちんとした敬語を使うようにはしてる)太鼓持たれたり、そんな日々の積み重ねのなか、なんだかだんだんお山の大将になって人として大切なものが見えなくなっていくような気がして、こないだからコンビニでバイトを始めた。
会社員から経営者•雇用者へと立場が変わって、人を雇うということがどういうことなのか、経営者が普段どういうことを考えながら従業員と接しているか、よく理解できたし、会社員時代の会社の社長とか常務とかはあのときあんな気持ちだったのかなーとかがなんとなく想像つくようにもなった。
でも自分はそのコンビニの中では従業員だから当然、雇われる側の気持ちもよくわかる。
どちらの気持ちも、よくわかる。
そうすると、オーナー対従業員のこまごまとした行き違いやトラブルのほとんどは、お互いが少しずつ相手の立場に近づきさえすれば解決するか、あるいははなから起こりえなかったことなのがわかる。
少しの配慮、思いやり、想像力。
そして感謝の念と謙虚さがあれば、たいていのトラブルは防げるのだ。
なんかこんな悟った感じでいろんなことお見通しで余裕ある自分かっけー、とか自分に酔いながらラーメン屋に入った。
そしたらまったく同じことを例のヘタウマ風フォントででかでかと書いた掛け軸が壁にかけてあった。
なんか世の中のことわかった気になって調子こいてた自分、ラーメン屋の標語レベルだった。
いやラーメン屋をばかにするわけじゃないんだが。
ラーメンはうまかったんだが。