2011-09-08

自炊代行拒否リストは<書籍を愛する>お客様の敵リストとなりうるか

作家様・漫画家様・出版社様からの質問状について<公開回答> 自炊代行ドットコム

自炊代行ドットコムの公開回答は、自炊代行行為が【合法か違法か】ではなく、それが「<書籍を愛する>お客様」にとって(同時に、社会にとって)【味方か敵か】という点に、公開回答を読んだ者の意識を向けんとしている。それを如実に示しているのが「自炊代行拒否リストである。このリストは、表向きには文字通りのものであるが、公開回答と合わせれば「電子書籍の新しい道を開いて頂く<責任者>」のリストである。控えめに言っても――件の「122名の作家様・漫画家様及び出版社様」にそのような意図が無かったとしても――、自炊代行ドットコムが広く世に*1そのような印象を与えたいことは間違いないだろう。リストに挙げられている者たちが「電子書籍の新しい道を開」く限り、彼らは「<書籍を愛する>お客様」(⊇自炊代行ドットコムの客)にとっても味方である、と。

裏を返せば、自炊代行拒否リスト名前が挙げられた者たちは電子書籍の新しい道を開」くことができなければ「<書籍を愛する>お客様」にとって敵となりうる者たちであると印象付けたいのだろう。また、仮に将来、電子書籍というもの日本においても成功した際には、このリストは「電子書籍成功する未来を描くことができなかった、出版業界人として恥ずべき者たち」のリストにもなりうる*2。件の公開回答において、自炊代行ドットコム作家漫画家出版社に対して柔和な姿勢を見せている。しかし、このリストを公開することによって、自炊代行ドットコムは「<書籍を愛する>お客様」が何らかの動きをしてくれると信じているのではないだろうか。少なくとも私はそう読んだ。

作家漫画家出版社は、このまま自炊代行ドットコムの誘いに乗って自炊代行拒否リストへの正式な登録願いを出してしまっては、得られるものは無いだろう。まず、自炊代行行為違法であることの確固たる法理を構築するか、あるいは自炊代行行為が「<書籍を愛する>お客様」および社会にとって敵であることを世に印象付けなければならない。仮にこれが成功すれば、自炊代行拒否リストは法あるいは世論が味方するべきリストなり、しかもそのメンテナンス作家漫画家出版社のおそらく敵であるところの自炊代行ドットコムが行ってくれるのだから、この上ない完全勝利となろう。

  • そういうこと関係ない。 単に「著作権がそういう性質の権利である」ってだけ。 著作権利者の申告でなければ違法に問えない。 逆に言えば、「許諾しない」との申告があれば著作権的...

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