2008-12-09

初音ミクを用いた自己言及的でないオリジナル曲について

表題の文字数制限が結構シビアでした。

本当の表題: 本当に初音ミクを用いた自己言及的で無いオリジナル曲が広く受け入れられるきっかけになったのはメルトが原因だったのか

エントリ:初音ミクという神話のおわり

http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20081207/1228685979

エントリの内容については、一つの流れから何を汲み取るかは人それぞれだと思うので特に反対とか賛成とかはありませんが、表題の件については記事中の「共同幻想」を楽しんでいた自分の個人的な実感とは明らかに違っていました。

あの曲もあの曲もメルトよりずっと前に出ているのに、と。

そこで、メルト発表される前までの時期のニコニコ動画の「VOCALOID殿堂入りタグが付いている動画(再生数10万回以上)から「自己言及的でない」(初音ミクVOCALOID自体を歌詞のネタにしていない)と思われる動画を並べてみました。

(自己言及的かどうかについて一部微妙なのもあります。主観です。また、あくまで2008/12/08 5:00現在VOCALOID殿堂入りタグが付いている動画からのみ取っているので現実とのズレはあります。例えば重要な「私の時間」(10/22)には「VOCALOID殿堂入りタグが付いていませんでした)

もちろん、メルト以降に再生数が大幅に増加した動画(記事中で指摘されているメルトによる影響を受けた動画)もあるとは思いますが、ほとんど全部が発表当初から親しまれている動画だと思います。

10月からの分しかありませんが、こことか見るといいです。

http://www.geocities.jp/vocaran_link/

8/31初音ミク発売
9/09WhiteLetter(原曲は9/09。アニメPVで爆発的に伸びましたが、そのPVは10/27)
9/17すくーる・うぉーたー・こすちゅーむ
9/25この想い伝えたくて
9/26Chocolate☆Magic -ドキドキ大作戦-
10/05celluloid
10/08護法少女ソワカちゃん
10/08Dreaming Leaf -ユメミルコトノハ-
10/22子猫パヤパヤ
10/27Lividus
10/29moon
11/02桜の季節
11/03涙にさよなら
11/04after resolution
11/06星空に願いを込めて -Good Night
11/13なぜか変換できない
11/21サウンド
11/22ミラクルペイント
11/25ストラトスフィア
11/28Holy Star
11/29白の季節
11/29永久に続く五線譜
11/30ストロボナイツ
11/30ぴんぽんだっしゅ!
12/03雲の遺跡
12/05Daybreak
12/05SING&SMILE
12/07メルト

ちなみに「恋スルVOC@LOID」は9/13で「みくみくにしてあげる」が9/20です。

OSTER_projectは「恋スルVOC@LOIDシリーズ」以外はほとんど自己言及的では無いですね。

「Packaged」(9/25, 自己言及的な曲)で有名なlivetuneのかじゅき氏も,「リラホルン」(9/21)や「シューティング☆スター」(9/23)など全然自己言及的では無い曲を同時期に出しています。

(「Packaged」の作者はkz氏ですが、例えばリストに載っている「ストロボナイツ」(自己言及的で無い)にも関わっています)

週刊VOCALOIDランキング(当時のみくみくランキング)や、当時のはてなダイアリーなんかでも見ればわかると思うんですが、メルトが出るまでに既に自己言及的では無い曲が受け入れられていることがわかると思います。

(その頃のはてなダイアリーは、初音ミク関連の話題で盛況でした)

ここからはさらに記事中のメルトについての描写を読んで自分が思ったこと

思ったことなのでソースとか特にありません。

当時ものすごい反発

歌ってみたを含めてランキングの上位を独占し続けたことが大きな理由だったんじゃないかなと思っています。

記事中に記されている「メルトに対する反発」は、「コミュニティー内部からの反発」のことだと思うんですが、当時VOCALOID楽曲を楽しんでいたコミュニティー内部から、「曲が自己言及的である」ことに起因していそうな理由での大きな反発は……あったのかな?

「歌ってみた」自体に対する反発は結構あったと記憶しているんですが。

歌ってみたとのかかわり

反発の件とも関係してきますが、次のニコニコ大百科の記事が自分記憶とそれほどズレていないので引用します。

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF

反発について

具体的には、8時更新〓13時更新総合ランキングの1位から4位まで『初音ミクオリジナル曲を歌ってくれたよ「メルト」』に関連する動画(原曲、halyosy ver.、ガゼル ver.、ミク+halyosy ver.)が並んだ。さらにはhalyosy+ガゼル ver.も一時7位まで迫り、5位まで独占もありえたというものである。これらが全て同じサムネイルであったことから、その異様な光景を目のあたりにした多くのニコニコユーザが衝撃を受けた。

歌ってみたについて

一方で、当日はサムネの強烈な印象からその存在に触れる声は少なかったが、実は原曲以外は歌ってみたであり、11/28の自演発覚祭り以来一時的に萎縮していた歌ってみたが復活の狼煙を上げた日でもあったといえる。


初音ミクが発売される前と、このメルトの前に歌ってみたで「自演騒動」があったんですね。

詳しいことは省きますが、とにかくそれで歌ってみた界隈の勢力はかなり縮小していたんです。

そこに、外部から有力な歌い手(プロ歌手halyosy氏)がやってきて高品質動画を投稿し、メルトの曲としての親しみやすさも相まって本家と共に爆発的な人気になった。

それが引用元に書かれている「復活の狼煙」の一因になっていると思います。

それ以前にも歌ってみた自体は沢山ありましたが、これの件が「歌ってみた」分野からの進出が増え、「VOCALOIDオリジナルを歌ってみた」の再生数がこれ以前よりも伸びやすくなったことの一因になっているというのは間違いないと思います。

ただ、この件と「自己言及的」とのかかわりがどの程度あるかはわからないです。

思ったこと

とはいえ、やはり初期の空気(元記事で言うところの終わってしまった「神話」)というのはあったと思います。

ただ、それはどのコミュニティーでも同じだと思うので「自己言及的」との関わりは私にはわかりません。

例えば、メルトの人気でコミュニティーに新しい人が沢山やってきて……といったように何かのきっかけの一つになったというのはあると思います。

その時には「非自己言及」でそれまで「初音ミク」に興味を持っていなかった人にとっても聴きやすかったということが一つのキーになっていたとも思います。

こう書いてしまうと元記事の否定のようになってしまいますが、もう少しだけ。

(記事の趣旨自体に対する肯定否定ではなく、事実関係についての疑問です)

もちろん、そのコミュニティー全体としての初期の空気のようなものはやっぱりあって、

それが時間と共に変化していったということは間違いないことだと思うんですが、

メルト」や「サイハテ」といった一つの動画によって何かがガラっと変わってしまったということには疑問符を付けたいです。

元記事では象徴としての「メルト」だとは思うんですが、どうも違和感が拭えません。

どうでもいい話ですが、私個人にとっての神話の終わりはデッドボールP楽曲削除事件でした。

終わったといいながら特に何が変わったわけではありませんが。

今もVOCALOID関連の動画はチェックしていますし、所詮私個人にとっての神話が終わっただけ。

まあ、人それぞれですよね。

最後に

ニコニコ動画の投稿動画を古い順に見ていくと懐かしさとかそういえばあったなあとか思うところが色々あって楽しかったです。オススメ

おまけ

同期間の「VOCALOID殿堂入り」な「自己言及的な歌詞」の曲一覧

8/31初音ミク発売
9/13恋スルVOC@LOID
9/20みくみくにしてあげる♪
9/25Packaged
10/09タイムリミット
10/10えれくとりっく・えんじぇぅ
10/14ハジメテノオト
10/16もっと歌わせて2107
10/22初音ミクの暴走
10/23恋スルVOC@LOID-テイクゼロ-
10/27melody...
11/06みくみく菌にご注意♪
11/24あるお節介言葉
11/30きみをわすれない
12/07メルト

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