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「碧いうさぎ」替え歌「白いクスリ」、削除申請の理由をクリプトンが説明
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/14/news034.html
この辺についたブコメとか、これに対する2ちゃんねるやtwitterの反応とか、あるいは
ITmediaの記事についたトラバブログ http://tb.itmedia.co.jp/tb/news/articles/0908/14/news034.html
とか読んでいても、問題の本質をわかってないやつが多すぎるので、ちょっと書く。
まず、気になるのはこういう意見。
http://b.hatena.ne.jp/endeavor/20090815#bookmark-15327096
b:id:endeavor 社会 極端な例にたとえると、たとえば包丁を使って殺人事件が起きたとして、包丁を作ったメーカーが犯人を名誉毀損で訴えたりしないよな。
VOCALOIDはただの道具です
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50990870.html
でも、ピアノやギターと初音ミクの間には、決定的な違いがある。
それは、楽器メーカーに金を払って、ユーザーは何を買ってるのかということ。
ピアノやギターをメーカーから買う(実際にはその間に小売店が入るけど)というのは、
有体物で動産であるピアノやギターそのものを、金を払って買っている。
なにを当たり前のことをと言うかもしれないが、これはつまり、ピアノやギターという物体に加えて、
それについて回る所有権をも買ってるということだ。
所有権が自分のものになるとは、その物に対する排他的な支配権を得ると言うことだ。
わかりやすく言えば ギターやピアノを買ったら、それをただで誰かにくれてやろうが、ハンマーで叩き壊そうが、
火をつけて燃やそうが、それで他人を殴り殺そうが、他人を誹謗中傷する歌を歌おうが、「そうすること自体」は
誰からも文句をつけられないということだ。
(もちろん、その行為によって発生した結果については、別途法的責任を問われる場合もある。人を殺したとかね)
でも、コンピュータソフトである初音ミクを金を払って買うというのは、これとはちょっと違う。
もちろん、初音ミクのデータを納めたDVD、それを納めたパッケージの箱、附属する取扱説明書や使用許諾契約書、
DVDを真っ二つに叩き割ろうが、パッケージのミクの絵に落書きをしようが(それを公表すると著作権侵害の問題となるが、
それは別の話)、取扱説明書に火をつけて燃やそうが、そういうことをしたユーザーにクリプトンは一切文句を言えない。
だけど、ユーザーは別にDVDのディスクそのものやパッケージや説明書がほしくて、1万5000円も払っているわけじゃない。
初音ミクというコンピュータソフトが使いたくて、これだけの金額を払っている。
そこで、クリプトンがユーザーに売ってるのはなにかというと、ソフトを自由に扱っていい権利ではない。
「これだけの金を頂く対価に、この条件を守ることで、我々の知的財産であるソフトウェア『初音ミク』を使ってもいいですよ」
という許諾を売ってるんだよね。
このことは、「初音ミク」の「エンドユーザー使用許諾契約書」に明瞭に書かれている。
http://www.crypton.co.jp/download/pdf/eula_cv01.pdf
本製品に係る著作権及び著作隣接権その他の知的財産権は全て当社らに帰属し、著作権法その他の
知的財産権法によって保護されています。本契約により当社らに帰属している権利の全部または一
第2条(使用許諾)
当社らは、お客様に対し、本契約の諸条件に従うことを条件として、本製品の使用を許諾します。
2. お客様は、本製品を一台のコンピュータにのみインストールして使用し、合成音声を生成し
たり使用したりすることができます。
3. お客様は、本契約の諸条件に従うことを条件として、お客様が生成した合成音声を商用/非
商用を問わず使用することができます。
ギターやピアノ、包丁と初音ミクの最大の違いは、ユーザーが所有権を合わせて譲渡され、それでなにをしてもいいのか、
単に条件付きの使用許諾を受けたに留まり、条件の中で許されたことしかできないか、というところにある。
言いかえると、こういうことだ。
たとえば、ケンタッキー・フライドチキンの店舗の前にあるカーネル・サンダースの像をのこぎりで切断したり、
道頓堀に投げ込んだりしたら、KFCから損害賠償を請求され、さらに器物損壊罪で刑事罰を受ける可能性がある。
これは、その行為がKFCのカーネル・サンダース像に対する所有権を侵害したからだ。
しかし、KFCがもう要らなくなったカーネル像を安価に譲り渡してくれた、となったら、これは所有権は自分の
ものだから、火をつけようが、額に肉と書こうが、好きにすればいい。
けれど、KFCの店舗を経営するフランチャイジーとして、本部から貸してもらったカーネル像に、