2024-02-12

ババ抜き

深夜、同年代の仲間で集まってはババ抜きしてた

時期があった

ババ抜きルールは変で、1抜けした奴が最後ペアを捨てた時好きな短歌宣言するみ

当時、吾はババ抜きが弱くて弱くて全然宣言出来なかった。時代時代だっからねぇ、宣言する短歌も「シンジゲート」(穂村弘からばっかりだったよ。参加してたみんな、シンジゲートが好きだったんだねぇ。たまに寺山修司とかも宣言する

はいたけれど大体シンジゲートだった。

作るのは下手くそな癖に奴ら、知識だけはやたらとあったけれどそれだってシンジゲート好きすぎだよぉ。んで、吾も負けずに参加を繰り返していたら、一度だけ「あ、これ一抜けする」とチャンスが巡ってきたことがあったんだよ。残り4枚ぐらいになったとこで「どうしようどうしよう…何を宣言すれば」と焦った。そして、ついにその時がきた。吾の手から二枚の同じ数字を刻まれカードが旅立ちてゆく…宣言

高きより

飛びおりるごとき心もて

この一生を終るべなきか」

みんなポカーンとしてた。何でだろう、別に変な短歌は言ったつもりは無かったんだけど

でもしばらくして、メンバーの1人が拍手して

啄木とは渋いじゃないか。めでとう」と

言ってくれた。それを合図にか知らないが他のメンバーも口々に「おめでとう」と言った

今、思えばどうしてあの短歌にしたかは分からない。だけど、あの時手から旅立って行った二枚のカード数字は「7」それだけだ

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