朝起きた時の、湿度計の値が徐々に上がってきた。もうすぐ梅雨がやってくる。毎年のこととはいえ、よくまぁこんなにジメジメするものだと驚き呆れる、日本の風物詩。本棚の本がいつもよりうねっているのが気に入らない。
本棚の漫画を見てふと思ったのは、ジョジョの奇妙な冒険第四部は、なんとも梅雨にぴったりだということ。
第四部はじめての敵は、水分を操るスタンド使いアンジェロ。こいつは主人公の家を狙い、雨と共に襲ってくる。家の中で水気と湿気を活用して、主人公を追い詰める。
そもそも第四部は、第三部からのコントラストで発想されている。宿敵を倒すため、エジプトの砂漠での闘いが繰り広げられる第三部と、愛する町を守るため、襲いくる敵と闘う第四部。カラッとした海外の風景から、湿り気のある日常の風景へ。
アンジェロの能力が水分なのも、当然の帰着だ。それは日本の家の中に潜む、感情的な湿度、抑圧された攻撃性の暗示でもある。これを発展させた敵が、吉良吉影だった。