むかしむかし、あるところに大きなダンジョンがあったそうな。
じゃがあまりに大きすぎて最下層の大ボスドラゴンにたどり着いたもんはひとりもおらんかった。
ドラゴン「あーあー、暇じゃのう。」
そんなある日、ドラゴンはふと思い立って自分でダンジョンを探検することにした。
「せっかくこんな広いダンジョンがあるんじゃから、もっと楽しまなくてはならんのう。」
途中で出会ったモンスターやトラップは、ドラゴンの炎で一瞬にして灰になった。
そこには入口の扉があり、その前には勇者パーティがいるではありませんか。
ドラゴンは「おやおや、こんなところで何をしておるのじゃ?」と声をかけた。
勇者「な、なんだ!? お前は最下層のドラゴンではないか!?」
ドラゴンは「いやいや、そんな大それたことではないのう。ただの散歩じゃよ。」と答えた。
ドラゴンは「それよりも、お前らはどうしたのじゃ? このダンジョンを攻略するつもりではなかったのか?」と尋ねた。
勇者「ええ、そうですけど……」
魔法使い「でも、このダンジョンはあまりにも広くて深くて……」
ドラゴンは「ほうほう」と聞いて「それは、困ったことじゃのう。」と笑った。
ドラゴンは「まあまあ、そんなに暗くならんでもよろしい。せっかくだから、一緒にダンジョンを探検しようではないか。」と提案した。
ドラゴンは「わしはこのダンジョンのすべてを知っておる。道に迷わせることもないし、食料や水も用意できる。そして、最下層の宝物も見せてやろう。どうじゃ?」