今年も無為の中で終わりそうだ。
仕事の中で巻き込まれたトラブル、それに最適な対応をできなかった後悔と心身に負ったダメージ。それを癒すためと言い訳をしながら、気力を失った数ヶ月間。
新しいことにチャレンジできただろうか、いや、しようとしただろうか。年々、挑戦の割合が減り、惰性や現状維持の割合が増える。じわじわとそのグラデーションは広がり、やがて深まり夜が訪れるだろう。
それでも感謝はしなければいけない。少なくとも旅先でもてなしてくれた人たちに。おいしい食事を提供してくれた人たちに。食事の元になるあれこれを生産してくれた、素敵な商品を開発してくれた人たちに。何度も訪れたいと思える場所を作り、守り続ける人たちに。
何より、無為の時間に意味を与えてくれる、創作を行う人たちに。彼らの映像、音、言葉、物語が無ければ、時間の余白は耐え難い長さと重さに変わり、押しつぶされてしまうだろうから。