昔から床屋で飛び交う「何センチ切りますか?」という単位系に疑問を感じている。
明らかに1cmが1cmで勘定されていないのである。更に人によってもぶれ方が異なる。
西に1.5cmといいつつ3cmくらいを量り取る理容師がいれば、東に5cmはこのくらいですと人差指と親指をピンと張る者も居る(15cm弱だろうか)。
昔あまりにも時空を歪める店員に堪えかねて、それは私の知ってるセンチメートルじゃないと抗議してしまったことがある。
するとその店員が答えていわく、髪は生えている場所によって伸びるスピードが異なるという。
頭のこのあたりで2cm切ると、一番(伸びるのが)早い部分でこのくらい切ることになります、とのことだったので、なるほどそういうことだったのかと得心し、
じゃあサンプリング地点を明確にして指定しないと何の意味もねぇじゃねえかと今後一生センチメートルでの指定はしないと誓った。
ところが困ったことに「では○センチ位切りますがよろしいですか?」という確認をしてくる奴が結構な頻度でいるのである。
今日世話になったのもこの類で、もうその手は食わんぞと「センチメートルで言われてもわからないので…」と突っ張ってみた。
おじさんは謎の生き物を見る目をしながら1.5cmを指で作ってくれた。親指と人差指が平行だった。
なんとなく、「全体をその長さの分短くするということですか?」と聞いてしまった。これは「いいえ」になるはずの問いであった。
千円カットで店員とやり取りした時に「指の長さを基準にすると正確に伝わりますよ」と言う人がいたことを思い出した(なるほどと思って後日実行して、「そう言われても分からん」...