若手であるハテナの相談を受けながら、増田はぼんやりと考えていた。
「Kさんが部屋から出てきたら、『婦長、一緒に巡視に行かせてください』と言うんだ。
それから一通りまわったあとに、『あとは私がやりますので婦長はお休みください』といってみて。
そしたら、徘徊は止むと思うよ。」
「分かりました。やってみますね。では、増田さんは、ゆっくりお休みください。」
部屋の外では、新人職員のイアリが、2人のやりとりを見守っていた。
「こういうふうにすると、増田さんは徘徊しないでくれるの。増田さんは現役のころに老人ホームで働いていたみたいなので、その頃を思い出されてたのかもしれないね。」
ハテナは、どこか得意げに話す。
「そうなんですね。分かりました。では、ハテナさんは、ゆっくりお休みください。」
ハテナは、自室で少し休むことにした。
さっきのイアリの言葉、どこかで聞いたことがあるな、と思いながら。
ネタ元:「認知症のお婆さんの深夜徘徊を工夫で改善出来た話→「俺は認知症になったら無限にパワポで紙芝居作るんだろうな…」 - Togetter」
https://togetter.com/li/1946334
老人ホームの謎
この老人ホームで働くようになって何年くらいになるだろう。 新人の教育係なども任されるようになった職員の増田は、夜勤の報告を受けながらぼんやりと考えていた。 「Kさんのこ...
この老人ホームに来てから何年くらいになるだろう。 「Kさんの徘徊の話なのですが……」 若手であるハテナの相談を受けながら、増田はぼんやりと考えていた。 一通り話が終わる...
>>入所者の過去は、原則として職員には未公開 違和感