宝石の国。
Web上での意外な人気の理由のひとつは、登場人物たちに訪れる不幸せの数々だろう。不死に近い美しい宝石たちが、砕かれ、攫われ、自己を失い、自分の在り方に疑問を持って足掻く。
主人公が困難に直面して、それを乗り越えていくことが王道の物語だが、このお話しでは果たしてストレートに乗り越える展開が訪れるのか、予想がつかない。最後に主人公が何らかの幸せを見つけることができるのか、それすら不明だ。
Web上では、人の不幸が大切なエンターテイメントなので、それと同じベクトルでこの物語も消費されているかもしれない。現実でも、フィクションでも、自分よりも不幸な人間がいるという事実が、じめっとした安心感をもたらしてくれる、かもしれない。
物語における悲劇は現実のそれとは違って読者の生命力を引き出して癒す効果があるって 有名な作家が言ってたな。誰だっけなー。名前忘れた。
たぶんそれ言ったの俺だわ
いやワシだし。