Hunter X Hunterの原稿が進捗ているらしい謎のTwitter情報が現れているけれども、暗黒大陸へ向かう船の中の、主人公たちとは微妙に関係のない王族の話がまとまったとして、どうやってお話全体が終わるのか、または、物語全体の終わりに向けて、王族の蠱毒が何の意味を持つかということを考えると、「得ることと失うこと」に何らかの意味がありそうと妄想している。
あの作者は連載が長くなると、それまで構築してきた少年漫画的な構造に飽きて、脱構築を始める感じがあるけれども、今回もきっとそうで、主人公のゴンが真っ当に力を得て成長する物語を既に手放している。成長して、父親を乗り越えるという流れを放棄すると、主人公が手に入れるのは何か。それはもしかすると「失うことで何かを得た」「全ての力を放棄することで別の何かを見出した」ことになるんじゃないか。念という超能力を失い、別の何かを得る。戦い続ける道を捨て、別の冒険に出る。そういった何か。
そこに行き着く前振りとして、念獣、他人に突然与えられた力を使った争いを描いているとすると。結末は「全てを放棄した人物が、戦いを終わらせる」みたいなオチ。真っ当に戦った人間が勝利を得る直前に、全てを捨てた人間が答えにたどり着く。そんな妄想。