主に精神的な窮地を迎えた人間へのアドバイスとして、「逃げればいい」という言葉が用いられることがあるが、個人的には違和感がある。
そのとき、私が本当にやりたかったことは、その窮地を終わらせたいということだけだった。
その窮地を逃げて、新天地で一からやり直したいというわけではなかったのだ。
だから、希望としては、窮地を代理で解決するヒーロー的存在が登場するか、完全なる無意識となるのを求めていた(怖くて死ぬことは考えなかった)。
つまり、現状の窮地が消失するか、窮地を感じない自分となるかを求めていた。