父が乗っていた車をいざ廃車することになって、車の中にあったいろんなものを整理してた時に、地図の中から発見した手書きのメモ。
初めて行く遠い場所から、珍しい場所から、「行きたい!」と言った場所まで様々な場所。いつも道に迷うことなく連れて行ってくれていた。
いつもあまりにスムーズすぎて疑問にも思わなかったが、このメモを見て、事前に綿密に計画をしていたんだということを知った。
父が連れて行ってくれる場所はいつも新鮮で楽しく、遊ぶところから学ぶところまでとにかく沢山だった。死ぬほど車酔いしていたけれども楽しさには変えられず、嬉々として車に乗り込んでいたことを思い出す。
そんな経験のおかげで、私は今も地図で見つけた興味を引いた場所へ行ったりしているんだろう。
父が死んで1年以上経って、車も21万キロ超えて、もう次の車検は無いと言った父の言葉通りにさよならした車。とてもたくさんの思い出をくれた。
父がくれた楽しさに足る孝行ができたかはわからないし、フラフラした生き方をしていたから心配かけたままだったかもしれない。
少なくとも父が恥じるような人間にはならないように生きていきたい。